WATSU 満月の夜に

b0101106_883942.jpg15分の体験セッションで思いがけない経験をした私たちは、即フルセッションの申し込みをした。私の予約は次の日の夜9時からだった。その日は満月。何ともいいタイミングだった。
予約時間前にプールサイドにあるジャグジーで身体を温め、リラックスする。曇っていたので月を眺めることはできなかったけれど、明かりの少ないプールサイドには満月特有の満ち足りた空気が立ち込めていた。期待に逸る気持ちを抑えながら、WATSU用のプールに向かった。
そこには、60分のセッションを終える直前のマイケルの姿があった。彼の周りには平和で満たされた、穏やかな空気が流れていた。まるで赤ちゃんが母親に抱かれているような、または私たちが母親の胎内にいたときのような、あの感じ。2人の間にはとても美しいものが流れ、時間と空間の軸が歪んでいるようだった。
私はその空間を変えないように、そっとプールの中に入った。私の番がやってきて、Sarahが「Under water(水中の)WATSUがあるけれど、それもセッションに入れる?」と聞いてきたので、お願いすることにした。そしたら、どこからかシンクロのときに使うような鼻を押さえるクリップを出してきて、それを鼻にとめ、沈むように言われた。何のことやら意味がよくわからないままに身体を沈められる。しばらくして苦しくなってきたので、口からぼこぼこと息をすると彼女が引き上げてくれた。「水の中でもリラックスして、パニックを起こさずにいるのは素晴らしいわ・・・」とか言いながら。やっとこれはセッション前の準備だったのだと理解した(笑)。
セッションが始まり、私はただただ深い呼吸を続けながら、身体をSarahに預ける。目を閉じ、呼吸と共に身体を感じていると、わけもなく楽しくなってくる。自由自在に動かされるままに動いている私の身体。ここがプールの中なのかどこなのかもわからなくなってくる。ただ心地のいい感覚に身を任せ、ゆらゆらと水の中を漂う。
b0101106_10255164.jpg途中何度も目に熱いものがこみ上げてきたのだけれど、ここで涙を出すとunder waterになったときに息ができなくなるから、と冷静に考えている私がいた(笑)。そして、Sarahが私の手に何かを握らせる。それはセッションが始まる前につけた鼻クリップだった。それを私の鼻に付け、手を2回軽く握られる。しばらくした後、私の身体が水の中に・・・そして呼吸と共に引き上げられる。何回かそのようなことが繰り返され、手を握るのが、沈む前の合図だと理解する。普段言語によって用を足している私たちにとって、そういった方法で物事を伝えられるのはとても新鮮だった。幼児が母親とのコミュニケーションを学ぶような、言葉の通じない動物と意志を伝えあうときのような、初歩的で、原始的だけれど、とても親密な関係がそこにはあった。
under waterでのWATSUは予想もできない動きの連続で、こころの中で「わあ~!どこにいくの~?うわあ~!」などと叫びながら、水面に出るたびに笑ってしまった。水中では目を閉じていたこともあり、空間を捕らえる感覚がまったく働かず、自分の身体がどうなっているかもよくわからなかった。次にどうなるかわからない怖さを感じながらも、動かされるままに動かされていると、そこには無限の空間が広がっていた。
そして気づいた。私たちが生きている世界も同じなんだと言うことを。私たちが気づいていないだけで、私たちの周りには既に枠のない自由な空間が無限に広がっていると言うことを。そして、予想できないものに怖気づかず、力まず、流れに身を任せているだけでいいのだと言うことを。『FLOW(流れに身を任せる)』の本当の意味を身体の細胞ひとつひとつに教えてもらった気がした。
水中でのワークが終わり、水面に顔を出したままのワークに戻ってきた。始まったときよりも随分身体が緩んでいるのがわかる。呼吸もますます深くなっている。セッションが終わりに近づき、足の浮き輪をはずし、背中をプールの壁にもたれかけさせられた。Sarahにありがとうと言おうと思ったのだけれど、身体の中である反応が起こっているのに気づいた。目を閉じたまま、その反応に意識を向ける。意識を向けたまま呼吸をしていくと、どんどんとその形が明らかになってきた。胸に丸い塊のようなものがつっかえていた。そこに自分の手を置いてただただ感じていた・・・そして、突然涙が噴出してきた。そこには子供のように声を出し、大粒の涙を流し、泣いている私がいた。
またひとつ、大きなものを手放したのかもしれない。
満月の美しい夜に、そして何よりも愛に満ち溢れる手を持ったSarahに感謝☆
by bodyuniversal | 2009-04-24 11:44 | Hawaii | Comments(0)
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